はじめに
インコの様子がおかしいと気が付いた時あなたはどうしますか?
私は知識も備えもなく、慌ててしまいました
本記事は我が家の羽衣セキセイインコのポンパが、そのう炎になった時の発症から完治までの記
録と予防について記しています小さな命を救うためにこの記事が少しでも役に立てばと思います
元気にさえずっていたポンパは私が5時間ほど外出している間に、驚くほど容態が悪くなってい
て急いで病院に駆け込みました。
異常に気がついた時は命を落としてもおかしくないほどの危険な状態だったと後に獣医さんに知らされ驚きました
症 状
⚫︎午後2時頃、翼を広げて脇を広げて息が荒く口をパクパクとしている
⚫︎体を震わせて羽を膨らませ松ぼっくりの様に丸く膨らんでいる
⚫︎止まり木に座っている
⚫︎くちばしでケージに捕まり止まり木から降りている、もしくはケージの隅にいて辛そうにして動かない
ケージ内の様子
⚫︎ケージ下に敷いてある紙でいつも遊んでいるが、噛み切られた紙が少なく遊んだ形跡がない
⚫︎いつもとかわりのないフンの形状だったが餌は下に落ちていない事からあまり食べていない様子
(具合が悪くなると食欲が落ちるため大体2、3日前から糞が減ることもある)
部屋の温度
⚫︎季節は夏だったのでエアコンをつけており室温は27度くらいだった
👆ポンパの既往歴・・・止まり木やエサ箱を清潔に洗い、食べて減った餌には更に新しい餌などを足さずに全替にして飼育
していたが約2ヶ月の割合でそのう炎を最発症していた。 そのう炎の薬を2週間ほど飲ませるとすぐ元気になるがまた発
症しその繰り返しが約一年続いていた
急いで病院へ行きたいがどこに行けばいいのか?
市内の動物病院をあたるが「鳥は専門ではない事を了承の上で来院してください」と言われ
るし、水曜日休診が多くてなかなか見つからない。
ポンパは肩で呼吸をして翼を広げ、脇を広げている。
目を閉じて止まり木の上でゆらゆら揺れていて今にも落ちてしまいそうな状態(鳥は瀕死の
状態でも外敵に襲われないように元気なふりをする)
その後病院をやっと1箇所見つけ急いで向かいました
まず問診・検査
診療時間が始まる前に病院に到着
キャリーを覗くと首を持ち上げてこちらを見て、平気そうな素振りが悲しい。
診察室では環境や生活について聞かれる。 部屋の温度・寝かせている時間・食欲・フンや尿の状
態・体重・触診と続き、そのう検査・検便・羽の艶・動作を見ながら話しながら診察を終えて、
検査結果は先生とモニターを見ながら聞きました
口からそのう液を吸い出し、ガラス板の上に出してみると泡立ち、粘性であることがわかる(本来はサラサラ)
そして顕微鏡をモニターに映し見てみるといくつかの形が違う動いているものがあり、動きの早いものは悪さをし
ているものだと考えられると説明があった。 そしてフンには常在菌が見えた。
軽症だけど日和見感染も起きていた
病 名
『発情による慢性そのう炎』
発情を頻繁に起こす環境下におかれ、吐き戻しをし、そのう炎を繰り返し発症したことで免疫も下がり、細菌に侵されて容
体が良くない。 発情を抑制することがそのう炎の発症を少なくするので、なるべく発情をさせないことが重要
そして「気をつけてほしい事がある」と言われた
発情をさせない五箇条
・野生の鳥と同じように日が暮れる頃に部屋を暗くし静かな環境にする
・室温は成鳥なら20〜25℃、雛鳥、高齢、病気の時は25〜30℃。
暖房を使い過ぎず涼しくし過ぎない。自然に近く空気の流れのある
環境にする。(エアコンの風は避ける)
・性の対象を隠す、与えない(おもちゃ、巣材などを一時的に撤去)過
度のスキンシップはしない
・栄養価が過度に高い餌は与えず低カロリーにする
・難しいが少しだけストレスをあえて与えて(嫌いなおもちゃなど置く)完璧な安全地帯ではないように
する(可哀想だけど安全地帯は発情するのを誘発するため)
医 師 の 説 明
発情期
明るい時間が長くなると発情が促される。そしてその明るくさせている時間が長ければ長
いほど発情が強くなる。 具体的には6時間から8時間以上明るい時間に置かれると発情
のスイッチになるとのこと。 夕方の5時から6時頃にはケージに光が全く入らないカバー
などをかけて静かな場所に置き、12時間以上の睡眠が取れるように寝かしてあげる
カバーは遮光性のあるもので完全に暗くする
家族の声やテレビの音がする場所ではたとえ遮光カバーをかけていても寝かせていること
にはならないので音や生活音がしない静かな場所に移動して寝かせるようにすること
過剰に暖めない(体調が悪いときは30度を目安に温める)
季節のあるところにいる温帯の鳥は気温が高くなると繁殖しやすい。(春から夏にかけて繁殖する)気温を高くなると発情
しやすくなるので、真冬でも暖房がかかっている部屋では発情し繁殖する
一年中暖かくして季節感のない飼育をしていると一年中発情が起こるので特別に鳥が元気であるなら保温は過剰にしない方
がよく、人と同じ環境で暮らせるようにするがのがいい。 とは言っても急に温度を下げてしまうと体調を崩してしまうの
で、鳥の体重を計ったり食欲など体調管理をしながら寒くても耐えられる丈夫な体力づくりをしながら温度を少しずつ下げ
ていくことがよい。 でも病気や体力が落ちている時は30度に上げて保温するようにする
ちなみに完全な発情期になると温度を下げても抑制にはならないので効果はないことも知っておきたい。
とにかく発情させないことが大事、そして難しい
右の写真はゴーぺんさんと遊んでいるポンパですが、実は恋をし
ています💦 相手の鳥がいる時は分けて一羽にする
見えても鳴き声を聞いても発情を促すと言うから大変。
また、求愛は鳥に限らず人に慣れているなら飼い主さんであった
り、鏡やおもちゃ、止まり木やはしごなどにも求愛や発情をする
場合も・・・。
なので発情の相手になっている人の声や、スキンシップ、話しかけ過ぎにも配慮が必要です(これは大変・・・)
ケージの新聞紙などをかじるようならそれは巣材となるので紙をしかないようにする
餌入れや狭いところに潜り込むような行動があれば潜り込めないように障害物や小さめなエサ箱に換える
放鳥の時は様子を見て、カーテンの隙間・バッグや引き出し・本棚の隙間など鳥がじっとして止まっている時などは巣とみ
なしていることもあるので、そのような場所を作らないようにするなど観察も大切なんですね
高カロリー・豪華な餌はダメ
高カロリーの餌は発情を促進する。エサの量や内容を考え、鳥に必要な栄養分だけが取れるよう調整し体重管理をするこ
とが発情を抑えることになる
わざと適度のストレスを与える
人に慣れている飼育環境は外敵がなくストレスを感じることがないので発情
しやすくなります。 逆に言えばストレスがあれば発情が止まる可能性があ
ります。 ケージの置き場所を定期的に変えてみたり、健康な鳥であれば試
してみるのもいいそうですがやり過ぎは体調を崩す場合もあるので注意して行う。 まずは苦手なおもちゃをそっと片隅に
置くなど工夫するといいです
まとめると明るくしている時間を適正な時間にし、高カロリーの餌やおやつはきちんと管理してダイエットをさせること。
恋のパートナーとみなすものを全て撤去・かまい過ぎはやめる・過保護にすると発情を起こしやすいので気を付ける。
私の間違った認識
先生の第一声『飼い方がよくないね〜』
頭が真っ白になりました😓
病状は厳しいもので、この3日間が山とも言われました。
鳥を飼ったのはこの子が初めてではない私は運が良かっただけ。 生半可な経験と何かで得た羽衣セキセイは飼育するのは
少し難しい・・・という上っ面だけの認識で食べ物や温度管理などを過剰にして飼育してきたこと。
性格や体質などきちんと理解せずお迎えをしたこと
特に就寝時間と環境については夜8時から9時頃に布をかけて暗くし、家族の環境音などはダダ漏れ。 餌などの飛散防止と
温度管理、飼っている猫に襲われないようにとアクリル板で囲っていました。(温度管理やエアコンの風防止などでネット
にそういうものがあると知り自作しました)
鳥は風や空気、自然を感じることが好きなのにアクリルで囲っていたことについて、私の間違った認識でした。 必要以上
に過保護にし、守らなければいけない事は守れていなかった。 大きな間違いでした。
人間の都合に合わせて生活させられて、年中発情を起こし命を削っていた。
私は飼い主失格でした(反省)
💊闘病10日目
インコの気性は熱しやすく冷めづらい情熱的な鳥(オカメインコは、熱しやすく冷めやすいらしい)インコはストーカー
気質の粘着体質というから同じ鳥でもさまざまな性格があって興味深いです。 ポンパもよくお喋りをしてわたしの声に反
応し、手、はしご、ブランコ、鏡、おやすみベッドに恋をして・・・と明るく情熱的な子。 しかし治療中は全部取り上げ
なければなりませんでした
発情を促してしまうので声もあまりかけられず、同居していた猫たちの刺激も与えたくなかったので静かに別室で透ける薄
い布をかけて治療を始めました
発情による慢性そのう炎を患ったポンパの治療を始めて10日
3日間の峠は越せましたが、毛並みやツヤ、目に力がなく、目つきもなんだかいつもと違って輝きがない
まだまだという感じでした
この10日間守り気をつけたこと
🌼 昼間は薄く少し透け感のある布をかけて静かにする
🌼 水を朝晩二回新鮮なものに換える
🌼 温度管理30度
🌼 カゴの掃除を必ず1日1回
🌼 くすりは決められた量・回数をきちんと飲ませる
🌼 1日に食べた量を測り食べた量を把握する
🌼 日が暮れる頃に野生の鳥と同じように寝かせる
🌼 明かりが入らないようにカバーをかけて真っ暗にする
🌼 温度管理は静かに測れるようなところに工夫して設置し管理する
🌼 心配で仕方ないけれど、頻繁に覗きにいかない
🌼 声をかけたり音楽を聴かせたり喜びそうなことなど発情を促すかもしれないことはしない
静かに静養させるため、別室に置いていましたが寂しそうに遠くで短く鳴いていると気がかりで、本当にせつなくなりまし
た
💊闘病24日
2週間薬を飲ませ、ポンパの発情を抑えるための正しい接し方と飼育環境で鳥らしい生活をするが、話しかけたりするのは
封印していました
そして14日後の診察結果がこれです
⚫︎体重は33グラム。 これは前回から減りましたが適性体重だということでokです👍(適正体重を知っていると安心)
⚫︎糞便検査では菌が見えたが問題はないとのこと
⚫︎そのうの方には大変な問題が発生。 顕微鏡を見ると何か動くものが沢山😱!
右から左、斜め、上から下にと・・・もうそこらじゅうにウヨウヨと走りまわってい
るのは『カソウキン』と言って毒素が高い菌らしいのです。(これは菌の名前ではな
くこのように動きまわる性質の菌のこと)
菌を特定しなくても対処することは明らかとのことだったのでこれ以上の積極的な検
査はしませんでした。 前回の検査でこの菌が見当たらなかった理由は、発症からさ
ほど時間が経っておらず、菌の増殖がまだされていなかったのではないかということ
インフルエンザも熱が出てすぐ検査すると陰性だったりしますよね。 だからある一定
の時間を置いてから検査すると陽性が出た・・・となるわけで今回の状態もそういう事らしい
今回は前回処方されてた薬2種類に加え、このカソウキンをやっつけるためにもうひとつ増えて全部で3種類の薬になって
しまいました。 さらに今回の薬はいままでの薬が甘かったのに対して相当苦い薬なので、薬をあげる時の順番を甘い薬か
ら飲ませて、苦い薬はかわいそうだから最後に与えてね・・・とのこと。(先生やさしい)
「また2週間後に見せてください」
診療にかかった費用です。 
再診療 ¥880
糞便検査 ¥550
そのう検査量 ¥1,100
内服薬・抗生剤 ¥1,100(追加抗生剤) 税込¥3,630でした。
💊闘病38日目
食欲は一度は減り1日2グラム程度まで落ち込みましたが徐々に3グラムに増え、発症から22日目の今は4グラムにまで
なりました
日中でもテレビの音や猫の姿が見えないようにして、近づかない、声をかけない、見に行かないを守り、日中はカゴに薄い
透け感のあるストールをかけて夕方5時には就寝させていましたが、日光浴OKだということなので、窓の外が眺められて
風を感じられる場所に移動。 日中はリビングに温度は28度くらいにちょっと低くしてみます。 過度に接触はせず規則正
しく夕方には寝かせています
ポンパは、薬も毎日朝晩2回、3種類の薬をそれぞれ一滴ずつあげています。
わたしが顔を見せると、横歩きでそばに寄ってはくるものの、「あっ!」という感
じで薬に気付き慌ててグルグル飛び回り逃げるようになりました。 「ギョエーギ
ョエー」(訳やだーやだー)と鳴きながら必死にもがき抵抗する力も強い。
つっついてくるので、だいぶ嫌われてしまったと落ち込みますが、早く元気になっ
て欲しいのでお話しも撫で撫でも、ほっぺたをクルクルすることも禁止です
そしてなんと今回の検査結果は前回そのうの中にいたあの「カソウキン」が姿を
消していました。
そして糞便検査もクリア!
やっとそのう炎の薬のみ(1種類)になり、あの苦く臭い薬もなくなりました
正しい鳥生活を取り戻し、発情についてはコントロールします。
元気に長生きしてもらうためにはたくさんことを注意深く継続しなければいけませんね
そのう用の薬を1週間だけ飲ませた後薬をやめて、嘔吐や口をパクパクするなどがなければ薬をやめて1ヶ月後に診察にく
るようにと言われました
1ヶ月後の診察で何もなければ完治です
先生曰く「そのう炎は再発が多い病気」だそうで、「頑張っていこうね!」と励ましがとても心強かったです
相変わらずお世話のためにカゴの中に手を入れると興奮して頭と顔の羽を逆立てて目の瞳孔が変わり形相がもろ興奮状態と
なるのでうっかりそのまま手を入れておくと発情につながりそうで、まだまだ一緒に遊べず我慢です
💊闘病70日目
🌼ポンパちゃんの近況報告
薬をやめてひと月。
ポンパも私も規則正しく生活し精進してきました。 結果体の調子は良く、さえずりよく歌い、よく食べ、羽ばたきく
素早く走り指を強めに突っつくのは以前とは違う。 しかし元気になったと素人目でもわかります
ただ発情は防ぎきれず、発情しそうになるとその対象となるものは即座にカゴから出しています。 そこでいろいろと試し
てみたのですが、「えっ?」と驚くほど効果があったのはカゴの中のレイアウトを変えることでした。
発情特有の吐き戻しの形跡があったとき、レイアウトをささっと変えたらすぐ発情が止んだのです。
効果絶大でしたので、『レイアウトを変える』は超オススメです!
今は体調が良くなって嬉しいいけど、突っつく速さも力も増してホント痛い・・・。
元気になったのは一目瞭然だけど、おもちゃも取り上げて声かけもしなかったせいか、放鳥して仲良くしようとお誘いして
も冷たい素振りで「プイッ」とこちらにこなくなってしまいました。
美味しくない薬を飲ませられたせいもあるかも知れません。
外へ出ても用心深く、メンタルの方もリハビリが必要かもしれないと少し気になりますが、信頼関係を築くにはインコは賢
く愛情深いのでなんとかなると信じて頑張ります!

目の輝きも羽も綺麗で元気そう
「ポンちゃん、お日様キラキラ気持ちいいね〜」
空を見ているのかな?
ごきげんだね♪ ほっぺたクルンクルンも気持ち良さそうです
ポンパ君は甘えん坊でひとが来るとすぐに寄ってきますよ〜
『ねね、ねえねえ・・・何か歌って!僕モノマネするから」
そんな感じかな?
空が暗くなれば静かな部屋で休ませて、朝は私と共に起きます
発情のトリガーになるものはなくし、部屋は温めすぎないようにしてごはんもあまり
カロリーが高いものは与えず、お楽しみ程度のおやつを・・・。
元気になって本当によかった。本当に頑張ってくれました
ダメな飼い主で辛い思いをさせてしまいました
本当にごめんなさい、心から謝ります
まとめ
虹の橋を渡ったタイガーチェリーのコザクラインコは男の子で発情もありましたが、ヒナから育てた子で病院にかかったの
は一度だけでした。少し目が赤くなった時だけで19年のご長寿でした
今回のことは先生にいろいろと指摘を受けて自分があまりにも不甲斐なく落ち込みましたが、思えばコザクラちゃんの時は
仕事が忙しく帰宅するまで電気は着かず夜になれば自動的に部屋が暗くなったし、餌にもあまりこだわりはなく、ヒーター
も持っていなかったので人間と同じ室温でなんだか自然な環境だったな〜・・・。
だから健康的で強く成長できたのかもしれませんね
一度発情したのをやめさせることは本当に大変です
だって発情も自然な事だから・・・。
でも過度の発情は命を削る
この可愛い小動物はおしりはふわふわで、ちっちゃくていい香りがして、可憐でまるで妖精みたいです
見れば見るほど愛しい・・・お茶目で、声をかけると歌を歌うし・・・。
獣医さんは「今回の病気・症状は何度も繰り返すことが多いので気をつけて頑張ってくださいね」と再びエールを送ってく
れました。
インコの飼育本にはお値段も手頃で丈夫で簡単に飼育できると書いてあることが
多いセキセイインコですが・・・
「お手頃も簡単もない」何を言っているんだ
一滴の出血は死んでしまうほどの大量出血だし、その子をお迎えするということ
は、その一生を担い責任を持つということですから今回はなんとか運よく命を繋いだけれど、私の認識不足が招いたこと
でした。(恥もお叱りもポンパへの謝罪も懺悔として書かせていただきました)
どうかみなさん、かわいい小鳥さんとかけがえのない健やかで楽しい日々を過ごしてくださいね!
もしもの時に備えておきたいもの
サーモスタット通院用のケージ
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ヒーター(ひよこ電球)
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温湿度計
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遮光カバー
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湯たんぽ
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